菅野了次(かんのりょうじ)教授によって夢の電池の研究が進んでいます。
サイエンスZERO「1分で充電完了!?誕生!夢の全固体電池」
2018年7月29日(日) 23時30分~で放されました。
夢の全個体電池がスマホの充電時間を1分で完了させようとしています。
電気自動車への導入を見据え、東京工業大学などで全固体電池の開発が進んでいる。
現在主流のリチウムイオン電池では、
電池の中にある液体の電解質が液漏れのリスクや電池の“へたり”につながっているが、
全固体電池は液体を使わないことによって、
こうしたリスクを避けられるばかりか、充電時間も短くでき航続距離も伸びるという。
長年の開発秘話や現在の開発の課題などは?
菅野了次さんの出身大学や本や論文は?
提供:東京工業大学
菅野了次さんプロフィール
氏名:菅野了次(かんのりょうじ)
1956年(昭和31年)生まれの63歳かと思われます。
1978年:大阪大学 理学部 化学科 卒業
1980:大阪大学 理学研究科 博士前期課程 無機及び物理化学専攻 修了
1980:三重大学 工学部 助手
1985:理学博士(大阪大学)
1989:神戸大学 理学部 助教授
2001:東京工業大学 大学院総合理工学研究科 教授
菅野了次の全個体電池や研究所は?
提供:東京工業大学
固体電解質には、酸化物系やポリマー系もありますが・・・
菅野了次教授が研究している硫化物系材料です。
現在、普及しているリチウムイオン電池(電解液)
の性能を超える可能性があるのは、流加物系材料だけなんだそうです。
電解液よりもリチウムイオンが動きやすい(イオン伝導率の高い)固体電解質が見つかり、
高出力電池の可能性が研究により発見されました。
現在、自動車や電化製品業界で新たなエネルギー源として期待を寄せられている全固体電池。
昨年には、「2020年代前半に、リチウム電池に代わって全固体電池を搭載した
EV(電気自動車)の実用化を目指す」とトヨタが発表するなど、
実用化に向けた開発は待ったなしだ。
1980年以降、リチウム電池と固体電解質の研究に携わり、
トヨタとも共同開発を行う
東京工業大学物質理工学院応用化学系の
菅野了次教授にその未来について話を聞いた。
全個体電池のメリットとデメリット?
安全
リチウムイオン電池は発熱・発火・爆発の事故がまれに報道されることがあります。
実は今日ですが(7月29日)台風12号が通過したお台場での出来事です。
FIVBビーチバレーワールドツアー女子決勝の試合を観戦していました。
スマートフォンで試合の動画撮影をしていた時です。
警告表示が液晶画面に!
『電池が高温になっているので、機能の1部が使えなくなります!』
気温は約36度となっていましたが、、、
スマートフォンの機能は停止しました。
あのままリミッターが作動せず、動画の撮影をしていたら、
スマホが爆発していたかも知れません。
これが現在の液体リチウムイオン電池の限界です。
身をもって体験してきました。
リチウムイオン電池では電解液に有機溶剤系の材料を使用するために、電解液に引火し、電池が破裂・発火に至る場合があります。
全固体電池は固体電解質を使用するために、発熱・発火・爆発の危険性が少なく、
安全性がリチウムイオン電池よりも高いのです。
作動温度範囲が広いこと
リチウムイオン電池では、電解液(液体)使用しているために、作動温度に限りがあります。
リチウムイオン電池は高温になると、溶融したり電解液の蒸発温度に達することで電池の内圧が上がり電池として機能しなくなる場合があります。
このような高温や低温時の異常状態は全固体電池では固体電解質の熱安定性が高いために非常に起こりにくく、作動温度範囲が広いことがメリットです。
劣化しにくい
リチウムイオン電池は使っているうちに、段々使用時間が短くなっていく経験があるんじゃないんでしょうか?
スマートフォンを新品でかった時と、1年半後の電池の持ちは歴然としています。
新品をフル充電で100とした場合、経年劣化したリチウムイオン電池はフル充電しても、
決して新品のフル充電とは違い、それが60であったり50であったりすることがあります。
新品なら2日電池が持ったスマホが、経年劣化すると6時間しか持たないような事が起きてきます。
全個体電池ならそのような症状が抑えられると言うことです。
生産性が高く、液漏れしない
リチウムイオン電池は電解液を使用しているために、
電池製造でこぼれてしまったり、扱いにくい部分があります。
電解液が浸透するまでに時間がかかる場合があります。
全個体電池はこれらの生産性が高いと言えます。
全固体電池のデメリットは?
各電極との電解質の間の接触抵抗(界面抵抗)も高いため、
結果としてリチウムイオン電池よりも内部抵抗が高くなってしまいます。
しかし、このデメリットを改善する研究は日々進められており、
改善するんじゃないかと期待しています。
サイエンスZEROより
液体のリチウムイオン電池は漏れてしまう。
それを防ぐために液体を使っている電池は丈夫で大きな箱が必要になる。
漏れて、いろんな物質が混ざり化学反応を起こしてしまう。
現在までに開発に30年、全個体電池
✔ 安全
✔ 充電時間が1/3に
✔ パワーが3倍に(容量が3倍に)
✔ リチウムイオン電池は60℃以下での使用、全個体電池は100℃でも劣化しない
全個体電池搭載の電気自動車の実用化は、2020年前半を目指している。
いいことばかりの全個体電池なんです
菅野了次さんの著書
まとめ
現在の電気自動車の不安面は
●出かけた時に充電できる場所が都合良くあるのか?
●充電時間が長すぎないか?
●走行距離がガソリンに比べて短くて不安
でも全個体電池がそんな不安を取り除いてくれたなら・・・
そうしたら、環境にも、お財布にも優しいですよね。
早く実現に繋がるとよいですね。
菅野了次教授に期待しましょう!